ダートマス会議

人工知能(Artificial Intelligentce)という言葉が初めて使われたのが、 ニューハンプシャのダートマス大学で夏に開かれたダートマス会議と 言われています。これを機に、AIの研究・開発の契機となったともいわれています。 この参加者を見てみたのですが、なんと、シャノンが参加していたんですね。 あの、シャノンです。情報理論を発明した、おそらく天才だった、シャノンが。

ただ、そんな天才が参加した会議でも、大した結果が得られず、数週間で 終了したといわれています。 どうしてなんでしょうね。 私の私見ですが、人工知能をコンピューターによって実現しようという意見が 強かったのではないかと想像します。 わたしもそうでした。コンピュータは、いつか人工知能を実現するためのアプローチとして 存在しているのだと。

でも、当時のハードウェアやソフトウェアでは、到底人工知能を実現するには足りず、 GPUなどの半導体技術の発展も待たなければならなかったですよね。 いま、ようやく半導体技術やソフトウェア技術が進歩して、ディープラーニングが 発展し、自然言語処理がかなり使えるようになりました。

思うのですが、そうはいっても、本来人工知能が目指しているのは、人間の脳の解明や 人間の脳と同等な知能の実現というものではないでしょうか。いまのディープラーニングは どのように動作しているのか、なぜうまくいっているのかを、正確に説明する理論がないと 言われています。こんなことで、人間の脳の解明に至っているのでしょうか

ダートマス会議で、シャノンが、数学的なアプローチを進めて、人間の脳の数学的に解明を することをしていたら、もっと早く、ディープラーニングは、動作の解明もふくめて、実現 したのでは?と思いました。これからは、コンピューターによって人工知能の実現・実用化 を目指すのではなく、人間の知能の数学的解明が求められるのではと。

物理学者が、数学を使って、宇宙や素粒子を説明し、実験によってその説明が正しいか解明し 人間が、宇宙や素粒子を理解する。そういったアプローチが、人工知能でもおこなわれるべきでは ないか。と思うのです。 わたしたちのような、コンピューターサイエンティストは、そのアプローチが完成した後に 人工知能を実現するということをすればよいのではと。

いまは、コンピューターサイエンティストやコンピューターエンジニアが、必死になって人工知能の 実現に努力していますが、そういったアプローチをしている方々も、わたしたちは、応援すべき だと、思うように、このところなっています。

第二回ダートマス会議をする場合、そういったアプローチをしている、天才数学者をぜひ招集 したいと思います。きっと、世界には、そんな天才がいるはずです。わたしは、コンピューター 側の人として、もちろん参加します。そして、その天才の話に耳を傾けます。